飯野矢住代誕生秘話<9>新しい恋人は日比谷野音「伝説のライブ」のドラマーだった
メンバーは、日本を代表するロックギタリストのChar。GSグループ、ザ・ゴールデン・カップスを経て、多くのバンドやユニットで活躍したLouisことベーシストのルイズルイス加部。いくつかのバンドを経て、のちに妻となる金子マリ&バックスバニーに参加。俳優としても中山美穂主演のフジテレビ系のドラマ「二千年の恋」(2000年)や、西島秀俊主演の映画「ラストシーン」(02年)に出演したJohnnyこと、ドラマーのジョニー吉長である。
このライブが伝説たるゆえんだが、アイドル的に活動していたCharが、本格的なロックを志向してスーパーバンドを結成したことに加え、結成直後の78年にCharが覚醒剤所持の疑いで書類送検、活動が早々に頓挫したこと。嫌疑が晴れ、復帰一発目のライブだったこと。さらに、フリーコンサート(無料)で行ったため、雨天にもかかわらずファンが殺到、1万4000人という現在も破られない日比谷野音の動員記録を打ち立てたことが挙げられる。
「そうした伝説も、見どころのある内容もそうですが、私が特筆したいのは、事件明けで爆発寸前のChar、筋金入りのルイズルイス加部という2人のバックで、派手さはないものの、安定感のある、重くてステディーなジョニー吉長のドラムプレーです。見惚れるほど美しいルックスも含めて強く印象に残っています」(音楽評論家のスージー鈴木)