九死に一生だった俺のヤシの木の思い出 ワイハ~、行きてぇなあ
そして、ダイヤモンドヘッドを遠くに望む焼けた砂浜、そこにいきなりの天からの数分間のシャワー、全身ビショ濡れもみるみるうちにカラッと乾いていくあの心地良さ……ハワイに行きたくなるでしょう!!
かつてそんなハワイを楽しんでいる時の話です。ヤシの木の葉がつくり出す影の下でくつろいでる俺のところへ足早に近づいてきた日系人と思える40代くらいのサングラスの男が、俺に挨拶もなしに言いました。
「ユー、そこにいたら死ぬよ!!」「???」
なんだなんだ、この男は? あ、わかった、街中に時々出現するブツブツブツと独り言を発し続ける男では? しかし、その独り言男の次の言葉は俺に衝撃を与えるものでした。
「ヤシの実が自然落下してきて、ハワイでも年間何人も死ぬんですよ!」
その瞬間、ヤシの木の下から全力で離れていた俺でしたが、さらに恐ろしかったのは、その直後にすぐ近くのヤシの木から本当にヤシの実がドスーンと砂に落ちる光景をこの目で見たのです……もしあの真下に頭があったらと思い、鳥肌が立ったのでした。