NHK紅白歌合戦出場選考の“新基準” サブスク歌手全盛時代のデメリット
音楽はサブスクで「聴く」時代となり、YouTubeやTikTokなどのSNSで「知る」時代となった。今年9月に公開されたビルボードジャパンのチャートにおけるストリーミングの集計で、ここ最近のリリースで2億回を超えた楽曲はAdoの「うっせぇわ」、優里の「ドライフラワー」、Awesome City Clubの「勿忘(わすれな)」、平井大の「Stand by me, Stand by you.」、DISH//の「猫」などがある。
確かに“大ヒット”なのだろうが、ピンとこない人も多いようだ。
「定額制にすることで、新たな曲と出合いやすい時代になっていますが、サブスクは購入数ではなく、あくまで再生回数でしかありません。つまり、楽曲をコンスタントに買い続けるような熱烈なファンが生まれにくく、『なんとなく知ってるけど、そこまでの思い入れがない』『続けて音楽を聴くほどの熱量はない』『一発屋アーティストが生まれやすい』といった負の側面もサブスクには存在しています」(音楽ライター)
サブスクで音楽を聴く層は、自分で好きなメディアを選別する傾向もあり、必ずしもテレビ視聴には結びつかない。今後、誰もが見て盛り上がれる紅白歌合戦をつくっていくことはますます至難の業になっていきそうだ。
国民的アーティストが生まれにくくなって久しい。テレビから「音楽の流行」が生まれる時代が終焉を迎えようとしているようだ。