交番女子「ハコヅメ」早くもアニメ化の人気ぶり 真面目なドラマづくりが奏功した見本
■アニメ版は川合を中心に日常が描かれる。
そのシリアスさはアニメも同じなのだが、ドラマ版は新米巡査・川合麻依と元エース刑事・藤聖子の2人が主人公だったのに対し、アニメ版は川合を中心に、その失敗や日常が描かれる。ドラマは永野芽郁と戸田恵梨香のダブル主演だったのでバランスを取ったが、アニメ版は原作に忠実なつくりに戻したということなのだろう。放送時間は30分と短いが、雑誌の2話分程度を盛り込むにはちょうどいい尺なのか、1時間ドラマよりむしろ話はまとまっている。
短期間でアニメ版が登場したのは、ドラマ版の好評もさることながら、デジタル技術の進化で漫画原作のアニメがつくりやすくなっていることも大きい。
「アニメ制作には企画から完パケ(完成品)まで、ざっと十数の工程があるのですが、原作がコミックだと、ストーリー、キャラクター、セリフなどは初めからあるわけです。決めシーンの原画も原作から取れるので、それをつなぐ動画がいちばんの作業になります。30分で3000~5000枚。でも、かつては手描きの人海戦術でしたが、いまはパソコンでデジタル作画です。仕上げと呼ばれる色を付ける作業も、直接塗ることはなく、データを取り込んで加工します。セル画を一枚一枚撮影したのも昔の話で、いまはセリフや劇伴など音入れなどと同様、すべてパソコンでやります。以前は30分もので3カ月ぐらいかかっていましたが、コミックが原作なら、いまは1カ月でつくることができます」(アニメーションプロダクション関係者)
アニメ版の放送は深夜なので、録画しておいてまとめ見だね。
(コラムニスト・海原かみな)