(4)桃花はAKB48より身持ちが堅いですよ。これまで彼氏も作らなかった
桃花は前座時代から忙しかったそうだ。その訳を師匠はこう語る。
小朝「ある時、2番弟子の玉の輔(五明樓)に、『ぽっぽ(前座名)はどうしてあんなに仕事があるの?』って聞いたんです。玉の輔いわく、『あの子は師匠連に着物を着せ掛ける時、後ろから胸を押し付けるんですよ。それがうれしくて皆が頼むんです』と(笑い)。それで仕事を取っていたんですね」
桃花「そんな理由じゃありません!」
小朝「なのに、僕に着物を着せ掛ける時は、ものすごく離れて、後ろから放り投げるように着せるの(笑い)。結論は、胸を押し付ける女流前座は仕事が多いと」
前座時代の桃花の評判が良かったことは私も耳にしている。可愛がられる要素があったのだろう。
男性ファンからはアイドル的人気
入門して5年後の2011年11月、順調に二つ目昇進を果たす。
桃花「春風亭ぴっかり☆と改めました。これも師匠が付けてくださいまして、昇進した11月1日が灯台記念日なので『ぴっかり☆』です。最後に☆マークが付くのが正式名で、寄席文字で書く場合は省略されてしまいますが」
小朝「女の子らしいし、☆なんて面白いじゃありませんか。☆を入れてるのって、『メリー・ジェーン』を歌ってる『つのだ☆ひろ』さんくらいでしょ」
確かに☆は目を引くし、落語家の芸名に使われるのは初めてだ。
桃花「アイドルっぽい感じもするので、いい名だと思いました」
前座時代から追っかけのファンがいて、二つ目になるとさらに増えたという。
桃花「前座の頃から私の高座は全部見ているご贔屓が何人かいます。地方まで見に来るのならともかく、ドイツの公演で見た時は驚きました」
男性ファンはアイドルとして見ているのだ。
小朝「この人はAKB48より身持ちが堅いですよ。これまで彼氏をつくらなかったというのは、とってもいいことだと思うんです。追っかけの人にとってはね」 =つづく
(聞き手・吉川潮)