「『どうして俺をメンバーに入れないんだ』って。弟子の白鳥さんがいるのに(笑)」
そう言う昇太だって、柳昇や円丈同様、負けず嫌いである。先月催されたSWAの会では、他の3人がさんざん受けた後、トリに登場してネタ下ろしを演じた。それは国際ロマンス詐欺と言われるネット上の詐欺に引っかかった老女が主人公の噺であった。
「NHKのドキュメンタリー番組で、老女が外国人男性にだまされたという事件をやってて、それを題材にしました。この人、おばあさんなのに恋をしてるんだと思ったら、胸がキュンとなったんです。すてきだなって。演じ終えた後、久々に『良かったな』と手ごたえを感じましたね」
後輩たちには負けないぞ、という気持ちが、新たな傑作を生んでいるのだろう。 =つづく
(聞き手・吉川潮)