加山雄三がコンサート引退発表 若大将が歩んだ“山あり谷あり”芸能人生と不屈の精神力
「ビートルズは『ラバーソウル』、加山さんは『ハワイの休日』をかけて、音楽談議に花を咲かせたそうです。日本で初めて多重録音を手掛けたのも加山さんですし、伝説は数知れません」と続けた。
■ホテル倒産で借金を返すため奔走
華々しいキャリアのなかには、苦闘の日々もあった。経営していた茅ケ崎のリゾートホテル倒産で23億円もの借金を抱えた際はキャバレーやナイトクラブめぐりをして、そのギャラのほぼすべてが借金に持っていかれたと振り返っている。後年も2018年にプレジャーボート『光進丸』が西伊豆の沖合に停泊中、出火し全焼してしまったのに始まり、翌19年はトレーニング中に腰の圧迫骨折。それでもツアーを決行中、脳梗塞を発症。
その後も誤嚥から小脳出血が見つかり、活動休止を余儀なくされたが、「生涯現役」を掲げ、リハビリし、コンサート復帰を遂げた。栄光と闇。山あり谷ありの人生からの言葉は、中高年世代を励まし、元気づけてきた。今回の引退発表でも、「人生は苦しいことが8割。幸せは1%。でも経験にはみんな意味がある。良いことも悪いことも。全部大切にしてきた。特に悪いことをね。だからこそ今があるんだ」などと語っている。