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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

寺脇康文の「相棒」復活起用が教えてくれること ドラマ作りとは「温故知新」なのだ

公開日: 更新日:

 現在もコロンボはNHKBSで週1回再放送されている。何度見ても面白いが、見るたびに杉下右京のモチーフになったのがわかる。コロンボはよれよれのスーツとコート。ぼさぼさの髪。杉下は仕立てのよさそうなスーツとコート。髪も乱れることなくセットされている。コロンボを紳士にしたのが杉下だ。捜査の手法もしかり。家の中や事務所の応接間での聞き取りシーン。コートを脱がないのはコロンボも杉下も同じ。帰り際に「最後にひとつ」と指を1本上げて聞くコロンボのお馴染みのシーンも杉下は取り入れている。ヒットドラマから学び、オリジナル加工して取り入れる。コロンボを知らない世代にとってはかなり新鮮に映るはずだ。

 この手法は朝ドラ「ちむどんどん」でも見て取れる。主役の暢子の兄・通称“ニーニー”のキャラ。人情家で人が良くてだまされては家族に迷惑をかけて姿を消す。忘れた頃にまたふらっと帰ってくる。どう見てもニーニーはやんばる(沖縄)のフーテンの寅さんだ。

 ドラマ作りは「温故知新」にあると相棒は教えてくれている。新たな相棒も原点に戻りシンプルに寺脇の復活起用。どんな形で亀山刑事が戻ってくるのか、初回から盛り上がることは織り込み済みだろう。

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