寺脇康文の「相棒」復活起用が教えてくれること ドラマ作りとは「温故知新」なのだ
現在もコロンボはNHKBSで週1回再放送されている。何度見ても面白いが、見るたびに杉下右京のモチーフになったのがわかる。コロンボはよれよれのスーツとコート。ぼさぼさの髪。杉下は仕立てのよさそうなスーツとコート。髪も乱れることなくセットされている。コロンボを紳士にしたのが杉下だ。捜査の手法もしかり。家の中や事務所の応接間での聞き取りシーン。コートを脱がないのはコロンボも杉下も同じ。帰り際に「最後にひとつ」と指を1本上げて聞くコロンボのお馴染みのシーンも杉下は取り入れている。ヒットドラマから学び、オリジナル加工して取り入れる。コロンボを知らない世代にとってはかなり新鮮に映るはずだ。
この手法は朝ドラ「ちむどんどん」でも見て取れる。主役の暢子の兄・通称“ニーニー”のキャラ。人情家で人が良くてだまされては家族に迷惑をかけて姿を消す。忘れた頃にまたふらっと帰ってくる。どう見てもニーニーはやんばる(沖縄)のフーテンの寅さんだ。
ドラマ作りは「温故知新」にあると相棒は教えてくれている。新たな相棒も原点に戻りシンプルに寺脇の復活起用。どんな形で亀山刑事が戻ってくるのか、初回から盛り上がることは織り込み済みだろう。