著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

故・島田陽子さんは不器用な人だった…「国際派女優」として唯一無二の存在に

公開日: 更新日:

 女優の世界には「清純派」「演技派」「実力派」「正統派」などいくつかの肩書がある。亡くなった島田陽子(享年69)は児童劇団を経て17歳で女優デビュー。「続・氷点」で注目され「清純派女優」と呼ばれた。

 転機が訪れたのは27歳の時。米国のテレビドラマ「将軍 SHOGUN」のヒロインに抜擢された。ゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞。続いて米国映画にも出演。「国際派女優」と呼ばれるようになった。正しく言えばメディアが付けた。仲の良さそうな芸能人夫婦を「おしどり夫婦」と名付けたのと同じである。夫婦の場合、いいほうに働けば、好感度も上がり仕事に好影響をもたらす半面、離婚すれば「おしどり夫婦と呼ばれた2人が……」とダメージは大きくなる。芸能人の肩書の大半はメディアが付けたものであるが、付けられたほうにとっては「迷惑」と取る向きもある。

 元プロ野球選手で「世界の盗塁王」と呼ばれた福本豊氏が政府から「国民栄誉賞」授与の打診を受けたが断った。後に福本氏は、「立ちションベンもできんようになるがな。国民の手本にならへん。無理や」と辞退した理由を語っていた。確かに、「国民栄誉賞の福本」と常に呼ばれることになれば、負担になるとの考えも一理ある。

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