沢田研二・田中裕子夫妻に「売れへん夫婦漫才のおもろないネタ」を頼まれ、さらに指導まで
稽古用の会議室でも用意されているんだろうと思っていたところ出迎えてくださったマネジャーさんが「沢田が部屋の方が落ち着いてできるだろうということで、部屋でお願いします」と案内され、ドキドキしながらドアを開けると「初めまして田中裕子です。わざわざすいません、こんなところまで来ていただいて」と深々と頭を下げられ、その奥から沢田さんが「沢田です。ごめんね。(漫才の)マネ事はやったことあるけど、NGK(なんばグランド花月)の舞台に立たなあかんやんか、ええ加減なことできひんから、間合いとか所作とかビシビシ言うてほしいんですよ、よろしゅうお願いします」とこちらも深々と頭を下げられ「3人でやるさかい、下がっといて」とマネジャーを下げられて、さっそく本読みに。
お仕事では美しい標準語で話されているので気が付かない方も多いかもしれませんが、お2人とも関西出身。沢田さんが「ふだん阪神・巨人さん書いてるんでしょ? 大変やったでしょ、ここまでレベル落とすのん」「これが5稿目です」「うわぁ5回も直されてんねや、こんなん書いたん初めてでしょ?」と大スターを前に緊張しまくりの私に、気さくにそれも丁寧に話してくださり緊張をほぐしていただき、1時間を超えると「早すぎます、もっとゆっくり!」と漫才の指導に集中していました。3時間あまりの稽古を終える頃には、驚くほど“売れない夫婦漫才師感”が漂い、セリフの言いまわし、所作、足の運びなどがとても初めてとは思えない、さすが名優のお2人だと感じました。