27歳の元売れっ子芸妓と結婚 「こんな落語家でいいの?」と確認したら「それでもいい」と
元芸妓妻の荷物の量にびっくり!
「新しい部屋を借りて同居することになって、京都からの引っ越しが大変でした。とにかく荷物が多い。まず、着物の数が半端じゃないし、三味線が2棹、太鼓の大皮はいいとして、『鬘は必要か?』と聞きましたよ(笑)。日本髪が2つもあるので、『誰かにあげちゃえば』と言ったんですが、オーダーメードだから自分にしか合わないし、50万円以上するので捨てられないと言う。だから今もうちに置いてあります(笑)」
コロナ禍とあって、式も披露宴もやらずに入籍だけした。
「7月1日に中野区役所へ行って、『婚姻届を出したいんですが』と書類をもらって書き込もうとしたら、係の人に、『証人の署名と捺印が必要ですよ』と言われた。書類を持ち帰って出直しました」
その頃、夫人は妊娠していた。
「難産でして、分娩室の前で、もう気が気じゃありません。生まれた瞬間ほっとして、赤ん坊を抱いた時には泣きました。初めてわかったのは、赤ん坊って赤くないんですね(笑)」
親になったことで、歌武蔵の高座がますます充実してきた。元力士の経歴を生かした相撲漫談が絶好調だ。最近はNHK大相撲中継の解説者、北の富士をネタにしている。
「中継を見ていると、北の富士さんの解説がやたらと面白いんですよ。愛すべきキャラクターとして、ネタにさせてもらってます。ラジオ中継の解説だと油断するんでしょうか、うっかり発言が多くて面白いのなんの。だから、北の富士さんの時は、テレビの音声を消してラジオを聴いてます。舞の海さんとのやりとりがまた面白い。派手な上着を着てる北の富士さんに、『そういう服は北の富士さんしか似合いませんね』と言うと、『君は僕をバカにしてるのか』と突っ込む。いいコンビです」
昨年はいい年だったのでは?
「はい。人生で最高の年でした。今年も頑張ります」
こぼれるような笑顔を見せた。 =おわり
(聞き手・吉川潮)