ジャニー喜多川氏に「感謝の気持ち」さえ抱く元Jr.とファンの心理…専門家はストックホルム症候群を指摘
元ジャニーズJrのカウアン・オカモト氏(26)による、ジャニー喜多川氏(享年87)の性加害告発の衝撃は世界に拡散した。
しかし、カウアン氏はジャニー氏やジャニーズ事務所を刑事告訴する気はないと語り、今でも感謝の気持ちが強いと会見で述べた。ジャニー氏がどのような意図で性加害していたと思うかと問われると「お気に入りや、子供たちに才能があると、そういう感情を抱くのでは、と思います」とコメント。ジャニー氏に感謝こそすれ、怒りに満ちた感情はあらわにしていない。
心理学者の富田隆氏はこう言う。
「カウアンさんを含むジャニーズJrの皆さんは強大な権力に対して本能的に生き残るために被害者のはずが友好的になって、犯人に同情してしまう『ストックホルム症候群』だと思います。皆が知りながら“そういうものだ”と思い、犯罪だと気づかなかった。ハリウッドの#MeToo運動のように手を挙げる人が出て、ようやく犯罪だと気づいた感じでしょう」
ジャニーズでは“いきなりデビュー”が恒例。カウアン氏もジャニー氏からの突然の電話で上京し、当日コンサートに来ている5000人の前で歌を歌い、Jrに加入。これも“魔法”のひとつだという。
「シンデレラストーリーとは、それまで認められないシンデレラが、ある日突然、王子様という圧倒的なパワーに評価されることで報われる構造なので、他人(王子様)の好意が絶対なのです。カウアンさんやほかのメンバーもジャニー喜多川さんという権力者に認められて夢がかないました。彼らがジャニー喜多川氏を“いい人”と好意的に思うのも当然なのです」と富田隆氏が続ける。