「波よ聞いてくれ」小芝風花の演技は見事! 主演女優賞級だ
先週、小芝風花主演「波よ聞いてくれ」(テレビ朝日系)が最終回を迎えた。物語の舞台は千葉県の架空の街。主人公のミナレ(小芝)はスープカレー屋で働いていたが地元ラジオ局のディレクター・麻藤(北村一輝)にスカウトされ、ラジオパーソナリティーとなった。
このドラマ、一にも二にもミナレのキャラクターが際立っている。気合で生きているような金髪のヤンキー系。がさつで無神経なところはあるが、裏表がなく、サッパリした性格だ。仕事も私生活も失敗続きなのに全くめげない。
しかも話をすれば口が高速回転で動き、内容は面白くて聴きやすい。これまでリスナーや周囲の人たちを救ってきたが、彼女のおかげで状況が動くというより、状況自体をぶっ壊すタイプだ。そんなヒロインを小芝が全力で表現してきた。
最終回では放送エリアで地震が発生し大停電となった。麻藤はミナレの深夜番組「波よ聞いてくれ」を朝まで続けさせる。アナウンサーが読み上げる災害情報だけではリスナーが不安になるからで、「おまえがいつものように、一人じゃない、大丈夫だって声を届けることに意味があるんだ」と麻藤。極めてパーソナルなメディアでもあるラジオの力が発揮されていく。
それにしても、ミナレが憑依(ひょうい)したかのような小芝の演技は見事で、主演女優賞級だ。早い時期の続編を希望したい。