たこ八郎さんの思い出 腕立て伏せの最中、両手を離して床に頭を打ちつけ「やり方、忘れちゃった」って
たこちゃんのことは何となく存じ上げてはいたんです。元プロボクサーの日本フライ級チャンピオンだったってこととか、「あしたのジョー」のモデルになった人らしいとか。そう言えばアタシの芸能人ファンクラブの会長の赤塚不二夫さんや、そのお仲間で映画監督の山本晋也さんたちにかわいがられているって聞いていましたし。だからなんとなく、どんな人かは予備知識があったんですけど、とにかく初対面で大爆笑しちゃったんです。
スタジオで出演者みんなで腕立て伏せをやる場面があって、そのとき、たこちゃんが「僕もやります!」って始めたのね。そしたら、何を思ったのか両手を離して、ガーンって床に頭を打ちつけちゃったわけ。アタシびっくりして、「たこちゃん大丈夫!?」って言ったら、たこちゃん、なんて答えたと思う? 「腕立て伏せのやり方、忘れちゃった」って(笑)。それをあの口調で言うわけ。アタシもう、死ぬほどおかしくて、笑いが止まらなかったの。
スタジオの床って、硬いじゃない。痛くないわけないのに、あのリアクションはギャグかな~って思ったり。「やり方忘れた」って、あり得ないけど、ホントに忘れたのかもって思わせちゃう。たこちゃんにしかできない笑いですよね。おかしくて、かわいくて、けれども、なんか悲しくて……。好きだったなぁ、とっても。それがたこちゃんとの初対面の思い出。