日テレ系列局の「24時間テレビ」募金着服、博報堂の制作費水増し問題に透ける業界の劣化
「テレビ業界もそうですが、代理店でも、自分の手の届くところで大きなお金が動くのを目にします。なぜか。往々にしてチェック体制もなにも、現場に丸投げされているからです。なぜ丸投げかというと、すこしでも効率よく儲けたいから。チェックといっても、きちんとやると人件費もかさむから上司がハンコを押すなどして、やったと手っ取り早く体裁を整えるだけ。そういう業界ですから、入社当初、大きな金額の札束に驚き、萎縮していた社員も、ほとんど何も痛痒(つうよう)を感じなくなっていくんです」
いい加減などんぶり勘定。そうした業界の内情に馴染んでいくと、同じようなことをするようになっていくということか。
「大体、悪さを思いつく。交通費の架空請求、飲み代、キャバクラや風俗、ギャンブルなどの遊び金の捻出です。そんなところからはじまって、かなり大きな規模での着服や、悪さをしている人間は残念ながら昔から普通にいる業界なんです。大手は高給ですけど、実際のところ、現場では交際費を落とせなかったりする。それも高い給料に含んでいるというのが建前なのですが、今回のように制作費などに付け回すとか、いろんな項目に分からないように乗っけて適当に処理しているんです。