旧ジャニーズ新会社「STARTO」福田淳社長はドン・キホーテになれるか…座右の銘は「これでいいのだ」
旧ジャニーズ所属タレントたちの新たな受け皿となる新事務所が「STARTO ENTERTAINMENT(スタートエンターテイメント)」と決まり、CEO(最高経営責任者)に就任した福田淳氏(58)が9日、報道陣の取材に対応して話題だ。
■「日本の芸能界を近代化させる」
その様子はニュース番組などでも伝えられ、「日本の芸能界を近代化させる良いきっかけにできるとの野心もあった」「タレントには選択の自由、移籍の自由もあるべき」などと決意を語り、その手腕に注目が集まっている。
福田氏は井ノ原快彦(47)をCOO(最高執行責任者)に指名、すでに約160人いるタレントと面談し、動き出しているそうだが、所属タレントからはこんな声も。
「中長期の戦略っていうのはどんどん決めていってほしいんですけど、手前の現場レベルのものっていうのは、タレント側にも頼ってほしいなという気持ちはありますね」
アイドルグループ「KAT-TUN」の中丸雄一(40)で、「ファンの方の心理とか、こういうことをやったら喜んでもらえるよねっていうのが分かってるのはおそらくタレント側なんですよ」とテレビで訴えた。
ジャニーズ取材の長いベテラン芸能記者はこう言う。
「新社長はデジタルトランスフォーメーション(DX)によるグローバル展開、そのためにメタバース市場に参入と打ち上げていますが、それらに対して、暗に物申したのではないでしょうか。3次元の仮想空間で売り出すのもありなのでしょうけど、ファンが何よりも求め、楽しみにしているのは推しのステージを直に見て、応援すること。もっと言うと、触れ合いです。ジャニタレの主戦場はテレビやドラマ、映画でもなく、何よりもライブ。そこのことを分かってくれますよね、というメッセージに聞こえました」
それもあって、福田新社長はかならずしもファンから好意的に受け入れられていないのかも知れない。
中丸はまた、「役員クラスもごっそり変わってる」と、福田改革によるスタッフ入れ替えが進行中であることも明かした。
「そうしたファンのことや、タレントのこと、長く事務所の裏方を務めてきたスタッフはまだ残っている。どうしてその人たちを重用しないのか、排除しないで欲しいということでしょう。ジャニタレにとって、事務所はファミリー同然。嫌なら出て行けばいいのだけれど、皆が皆、売れっ子というわけじゃないので、かき乱さないでということだと思います」(前出のベテラン記者)
■社内の反発、業界内のアレルギー
ジャニー喜多川氏による連続児童性加害が世界的に報じられ、解体的出直しを迫られた結果だが、根は深い。福田氏は「報道の情報しかないときは、悪いやっちゃなと思った」と言い、性加害のみならず、退所者を「干す」ような旧ジャニーズ流に疑問を投げかけてきた。それらを一掃、払拭し、旧態依然の業界に風穴をあけられればいいが、そのまえに事務所内や関係者とひと悶着ありそうな気配だという。某広告プロデューサーはこう言う。
「旧ジャニーズには実にさまざまな人々が、ぶら下がっていました。ロケなどの現場には取り巻きが出てきて、ロケ時間を短くしろとケチをつけてきたり、ファンの写真撮影を阻止したりする。立場やワケの分からないやからも少なからずいて、幅を利かせたりして、おこぼれにあずかっていたのでしょう。業界を近代化させるには、そうした取り巻きの整理も行う必要があるでしょうけど、ここも反発が生じかねないのでは」