元フジテレビリポーター平野早苗さんに聞く ワイドショー取材の裏側“今と昔”、そしてこれから

平野早苗さん（提供写真）

　故ジャニー喜多川氏による性加害問題に続き、ダウンタウン松本人志による性加害疑惑に揺れる芸能界。それらを報じるメディアのあり方にも厳しい目が注がれているなか、スターの実家でも張り込み直撃は当たり前、丁々発止の取材で賛否両論あったかつてのワイドショーにも注目が集まっている。当時から芸能リポーターとして活躍する平野早苗さんは同僚リポーターとネット番組を開設。現在もワイドショー的取材を続けている。芸能界取材の“今昔”を聞いた。

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　──故・前田忠明氏がデスクの「おはよう！ナイスデイ」（フジテレビ系）などで知られる直撃取材の手法もかつてはアリだと。

「前忠さんもおっしゃっていたように、必要悪だった部分も多々あると思います。ただ、まず何より現場主義でしたね。芸能の場合、新曲発表にコンサートと、スキャンダルや事件でないところでも日夜取材し、密着したりしていた。他局に負けたくないという熱気が充満していましたし、同じ局内でも何クルーも同じ現場を取材し、競い合っていました。忖度もあれば、編成の上層部からのストップもありましたけど、トラブルを抱えたくないというのが最優先ではありませんでした」