加橋かつみさんが憧れたストーンズ「サティスファクション」はザ・タイガースの原点でもある

公開日: 更新日:

 僕はメンバーに話をして独立する準備を進めていました。でも、ダメでしたね。契約書にサインしないのは僕だけでした。

 そんなある日、楽器店のビルで新曲のリハーサルをやっていた時のことです。休憩時間に部屋のドアが開いたんです。目の前にはちょうどエレベーターがあった。僕はそれに引き込まれるように乗って下に降りました。そして、そこにタクシーが止まっていたので、そのまま乗っていました。

 僕がいなくなって、入っていたスケジュールがキャンセルになり、大変だったようです。今だから話せることですけど。

 60年代から僕が聴いていたような音楽が出てきたのは戦争があったからです。ベトナム戦争のしわ寄せです。僕もその辺はいつも気にしていた。タイガースをやめた年の暮れには反戦を訴えるミュージカル「ヘアー」をアメリカから持ってきて、公演しました。

 民主主義って何かを考えることがあります。民主主義は多数決だけじゃないんです。人の尊厳を理解、尊重すること。それが僕の生き方の一番のべース。それも大切なのは哲学といった理屈じゃなく、音楽や芸術を通して心の感性に訴えていくことだと思っています。

(聞き手=峯田淳/日刊ゲンダイ

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された