長州力が語る“専大時代と酒” ツケ数十万円は優勝でチャラ
その頃の体育会系運動部は今以上に上下関係が厳しくて、3年で貴族、4年は神様。当然アルコールハラスメントも日常茶飯事でね。今じゃ大問題になるし、決してよいことじゃないけど、自然と鍛えられたよ。
■吉田沙保里の父とはしょっちゅうハシゴ
時代もよかった。最寄りの小田急向ケ丘遊園駅の商店街の人たちが熱心に応援してくれたから、2年生からは行きつけの居酒屋が「ある時払いでいいよ」って、ツケにしてくれる。編入の関係で1学年下だけど、同じ年の吉田栄勝(吉田沙保里の父、故人)が飲み仲間で、2人とも金がないのにしょっちゅうハシゴしたもんだ。
実家からの仕送りは2万円。そこから合宿所の朝夕2食分の食券代6000円を引いたら、小遣いなんて知れてるでしょ。ヤマト運輸の配送センターとか、道路公団の下請けのアルバイトで稼いだけど、それでも全然足りない。細かくは覚えてないけど、4年生になった時はツケが数十万円にもなってた。40年以上前だから、今だと3倍4倍ぐらいになるんじゃないの?
それが73年の全日本選手権100キロ級のフリースタイルとグレコローマンの2種目で優勝したらチャラ。レスリング部の先輩や商店街の後援者がぜーんぶ払ってくれたんだよ。優勝できたからよかったものの、もし優勝してなかったら、とんでもないことになってたな(笑い)。