高嶋政宏が“変態素顔”をさらす引き金となった2つの出来事
第1章から2章までたっぷりSMについて、とりこになったきっかけから魅力まで語り、「緊縛講座」に通ってるとかあけすけにつづる。第3章でやっとSMから離れ、子供時代の話になったかと思えば、その頃からエログロが好きで筒井康隆の小説に「勃ちまくって」いたと、やっぱりその手の話になっていく。
第4章でも「サディスティックサーカス」などのアングライベントを語り、5章でようやくグルメ、6章で健康マニアの話になるも、第7章ではフェチの話に回帰。「女の子のマスカラを舐めとるのが好きだった」とか、「僕は普通の挿入には興味がない」などとつづっているのだ。
「ただひとつ興味があるのは、クスコ(膣鏡)という医療器具を肛門や膣に差し入れて、開いて中を見ること。(略)お尻や肛門は外じゃなくて中に興味があるんです」(同書)
父・高島忠夫がうつ病になったとき、「あんなに陽気で元気でパワフルだった人が、病気になるとこんなにも別人のようになってしまうのか。人は永遠ではない」と実感した。
そして東日本大震災で「人はいつか死ぬ」と改めて思った(同書)。だったら、今を楽しく過ごさなければ生きている意味はない。高嶋政宏はプライドや美学を捨て、人の目を気にせず「変態」をありのままにさらすことにした。