堀江しのぶ初仕事は平凡パンチ 水着で売る意識はなかった
野田義治は堀江しのぶの認知度を高めようと、積極的にグラビアの営業に打って出た。知り合いの編集者はもとより飛び込みで新規の編集部にも顔を出した。
野田義治は雑誌に対して偏愛的な感情を持っている。暇になるとパラパラと雑誌をめくる、野田のマガジン好きは根っからのものだ。
堀江しのぶが高校を卒業するころ、ビッグチャンスが訪れた。「DELUXEマガジン」の巻頭グラビアに登場することが決定したのだ。発売は1984年2月。
この時代、アイドルが大量にデビュー、早見優、松本伊代、堀ちえみ、小泉今日子、三田寛子、中森明菜、石川秀美らが、「花の82年組」としてテレビや雑誌で活躍していた。
遅れて飛び込んだ堀江しのぶにとって、「DELUXEマガジン」のグラビアは勝負の場だった。
野田も勝負に出た。堀江しのぶの胸の大きさが強調されるビキニをあえて選んだ。
ところが18歳の新人は意外な反応を示した。
「これ、着たくない」