ジャニー喜多川氏よる性加害「普通の事務所ではあり得ない」…99年文春キャンペーン取材メンバー語る
2002年3月に東京地裁で行われた1審では、文春側が敗訴。しかし03年7月の2審では、「セクハラ行為をしているとの記述については、いわゆる真実性の抗弁が認められ、かつ、公共の利害に関する事実に係るものである」として名誉毀損には当たらないとされた。結局、04年2月の最高裁判決は、「文春側に損害賠償として120万円の支払いを命じる。ジャニー氏のセクハラについての記事の重要部分は、真実性の抗弁が認められる」というもので“セクハラは真実”と認められ、実質的に文春側の勝訴となった。二田氏が続ける。
「彼が“そういう関係にならないとスターになれない”と言った言葉は重い。スターになった人の中には、必ずしもジャニー氏からの性被害を受けていない人もいるようですが、彼のように精神的な苦痛だけが残り、辞めていった人は当時からたくさんいましたから。これは普通の芸能プロダクションではあり得ない事態です」
さらに変わらない国内メディアの体質についてもこう付け加えた。
「日本には“死者にむち打つ”ことは慎むといった文化がありますが、根深い被害があった中で、ジャニーさんの死後でも、BBCが問題として取り上げたことは意義があると思います。できれば存命中にやってほしかったですけどね。ただ、今の藤島ジュリー景子社長も、叔父のかつての性加害を問われても、詳細は分からない部分はあるでしょう。そしてカウアン自身も、『日本のメディアではおそらく報じないだろう』と言っていましたが、当時も文春の追及をワイドショーやスポーツ紙はほとんど取り上げませんでした。それは四半世紀近く経った今でも全く変わっていないのだと痛感しましたね」