CMで大宣伝 インフル治療「点滴薬」はホントに効くのか
「インフルエンザ治療には点滴薬もあります」
尾木ママこと教育評論家の尾木直樹氏が出演しているシオノギ製薬のCMに対し、医療関係者の間から疑問の声が上がっている。「間違いだらけ」というのだ。
このCMは、子供を抱える母親たちと尾木ママがカフェでお茶を飲みながらインフルエンザについて意見を交換。「早く病院に行くのが大事」「早く熱を下げてあげたい」「どんな薬があるの?」と言う母親たちに、尾木ママが「点滴薬もあるのよ」とオススメする内容だ。
このCMを見ると、インフルエンザの早期治療には点滴薬が効果的なように思えるが、現場の医師から「問題だらけだ」といった批判が相次いでいるのだ。
医薬品の評価監視研究機関「NPO法人医薬ビジランスセンター」理事長で、内科医の浜六郎氏は言う。
「点滴で使われるラピアクタは、飲み薬のタミフル、吸入のリレンザ、イナビルなどと同じ種類の薬剤です。抗ウイルス剤といわれますが、インフルエンザウイルスを死滅させてウイルスの数を減らしているわけではなく、用いた人の免疫を抑制して発熱などの症状を軽くみせているだけにすぎないのです。つまり、点滴しても早く完治するわけではありません」