風邪、冷え、頻尿…「冬の不調」には漢方が効く
新春とはいえ、寒さの本番はこれから。冷えからくる病気や体調不良への備えは万全にしておきたい。今回は、日本より寒さの厳しい中国で発達した「漢方」に注目。専門家に冬の健康対策の注意点を聞いた――。
■風邪は寒と温の2種類
「冬といえばかぜ。かぜの漢方といえば葛根湯が有名ですが、実は葛根湯が効かないかぜもあるんです」
こう言うのは、薬剤師で東京薬科大学付属社会医療研究所の猪越恭也教授。葛根湯が効かないかぜとは何か。
「ゾクゾクッという寒けが先にくる傷寒(しょうかん)というタイプのかぜは、体が冷えているので体を温める桂枝を中心に配合された葛根湯が有効です。一方、喉が痛い、熱っぽいというかぜは、温病(うんびょう)といい、ウイルスによる炎症で発熱していますので、これを鎮めなければいけません。従って、体を温める葛根湯は逆効果なのです」
温病タイプに効くのは「天津感冒片」。いわゆる抗菌・抗ウイルス薬だ。葛根湯はまれに胃にくる人もいるが、これはほとんど副作用なし。子どもにも安心だという。