CMで大宣伝 インフル治療「点滴薬」はホントに効くのか
抗インフルエンザ剤を投与しても、症状の持続期間が1日たらず短縮されるだけだといわれる。それなのに、点滴を早く打つべきだとのイメージを与えるCMが流されている。医師たちが反発するのも無理はない。
都内のある内科医もこう憤る。
「抗インフルエンザ剤を投与しても、重症化率や死亡率が低下するわけではありません。そもそも健康な人がインフルエンザに感染しても、もともとの免疫力で自然に治るケースがほとんどです。重症化しやすい65歳以上の高齢者や妊婦、慢性疾病がある人への効果も不明です。患者なら誰でも抗インフルエンザ剤を投与する必要はありません。それなのに、症状が軽かったり、重症化リスクの低い患者がCMを見て病院に殺到するようなことになれば、周囲への感染を拡大させてしまう危険が大きくなるのです」
しかも、抗インフルエンザ剤はかねて副作用の危険が指摘されている。幻覚あたりで済めばまだマシで、最悪の場合は脳の中枢の働きが抑制されて呼吸が止まり、突然死する危険もあるという。
「抗インフルエンザ剤を用いると、インフルエンザに対する抗体が5分の1しかつくられなくなるため、再感染しやすくなることを警告している報告があります。また、免疫を抑制するので、他のウイルス疾患にかかりやすくなり、後から肺炎になるケースもあります。点滴はもちろん、吸入でもイナビルは作用が続くので、副作用のリスクも大きくなるといえます」(浜氏=前出)
もともと健康な人にインフルエンザの薬は本当に必要なのか。