薬が効かない7割の人に吉報! うつ病は「磁気刺激」で治す

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 rTMSは、頭に特殊な刺激装置を置いて、頭蓋内に磁場を誘導させて神経を刺激するもの。

うつ病は、感情をつかさどる脳の扁桃体や脳梁膝(のうりょうしつ)下部の働きが過剰になり、記憶や行動の切り替え、反応抑制など認知・実行機能をつかさどる前頭前野の働きが低下することで発症すると考えられています。rTMSは前頭前野の神経を刺激し活性化させて、扁桃体や脳梁膝下部の働きを正常レベルに抑制しようというものです」

■安全性が高く、つらい副作用もない

 アメリカの研究で、1~4種類のSSRI、SNRIが効かないうつ病患者300人を2群に分け、半数に本物のrTMS、半数に偽物のrTMSを行ったところ、本物の群の15~20%が改善。次に、全員に本物のrTMSを行ったところ、30~35%が寛解に至った。
「当院でも複数の抗うつ薬で改善しなかった130人にrTMSを実施すると、30%の人が寛解しました」

 rTMSのメリットは、安全性が高く、薬のように吐き気、眠気、性機能障害、急激にやめた場合のセロトニン離脱障害といった全身性の副作用が起こらないことだ。もちろん、副作用がないわけではなく、頭痛や刺激を与える箇所の痛みを訴える人もいるが、耐えられないほどではない。けいれんの副作用も指摘されているものの、0.1%未満とわずか。

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