胃が不調なのに検査に異常なし…疑うべき病気はコレだ!
「胃の運動を促進する薬や胃酸分泌抑制薬などさまざまな胃薬がありますが、基本的には、症状に対して最も適切だと考えられる薬を1種類、1カ月ほど服用していただき、症状の変化を見ながら最適な薬を探っていきます」
すでに複数種類の胃薬を飲んでいる人には、時に、一度薬をやめてもらうこともある。どの薬が効いているかが分からないからだ。六君子湯という漢方薬や、抗うつ薬などを用いることもある。
「機能性ディスペプシアの治療で重要なのは、医師と患者の信頼関係です。中には、正しく診断がついた、医師に自分の話をよく聞いてもらった、というだけでも症状が改善する方もいるのです。〈簡単に治る病気ではない。でも、治る病気。根気よく治療に取り組もう〉ということを、私は患者さんによく話します」
薬とともに、胃の不調とうまく付き合っていくための生活習慣に対するアドバイスもする。
「すると、次第に患者さん自身が〈今回の出張はストレスがかかりそうだから、薬を飲んでおこう〉〈残業が続くと胃もたれがひどくなるから、生活リズムに気をつけよう〉などと考えるようになっていきます。そうなると、薬をやめられる日も近いわけです」
日々の苦しみと手を切ろう。