厚労省が調査本腰…全国30万人「慢性疲労症候群」の恐怖

公開日: 更新日:

「慢性疲労症候群」――。耳慣れない病名だが、厚労省の推計によると、国内の患者数は30万人にのぼるという。看過できない数字だ。そのため同省はこのほど、この病気の患者の日常生活や実際の診断・治療状況を把握する調査を始める方針を固めた。

 慢性疲労症候群は強い疲労感や頭痛、脱力感などに襲われる病気。仕事を終えて休息を取っても疲れが24時間以上続き、睡眠障害や咽頭痛を伴うこともある。

 厚労省によると、1988年に米国の医師によって提唱され、日本では91年に研究が始まった。23年が経過したものの、いまだに何が原因なのか解明されていない。その病名から神経内科や脳神経科の病気かと思ってしまうが、そうした担当の科も決まっていないのだ。

■どんな人が発症するかも不明

 医学博士の米山公啓氏が言う。

「疲れが取れない状態が半年も続いたり、運動もしていないのに筋肉痛に襲われたりもします。分かっているのは人体にもともといるウイルスが活発化し、この暴走を抑えるために免疫物質が大量に分泌されるのが原因ということです。免疫物質が必要以上に増えて脳が機能異常に陥り、体がだるい状態などが続いてしまうのです。なぜウイルスが活発化するのか、どんな人が発症するのかも不明です」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…