エラの張った顔は要注意 「歯ぎしり」は全身を壊す危険な悪癖
「また歯ぎしりしてたわよ!」――。睡眠中の歯ぎしりを妻に指摘されたことのある人も多いはず。たかが歯ぎしりと放置し続けると、歯だけでなく内臓までボロボロになりかねない。
歯ぎしりは歯だけでなく、全身を破壊する恐れのある危険な悪癖だという。歯科医療研究センター「林歯科」の林晋哉院長に、歯ぎしりの危険性を聞いた。
明け方、体が目覚めようとする時、誰もが「歯ぎしり」や音の出ない「噛みしめ」をしている。口は脳へつながる神経の数が最も多い場所だ。歯を噛みしめることで、寝ている時に副交感神経が優位になっている脳に対し、目覚めさせる信号を送っているのだ。
しかし、歯の噛み合わせが悪いと、脳にうまく信号を送れない。そのため、必要以上の「噛みしめ」や「歯ぎしり」をしてしまう。その負担は想像以上に大きい。朝、起きた時に「顎がだるい」「疲れている」といった感覚を覚える人は要注意だ。これを長期にわたって繰り返せば、いずれ歯の表面や内部が欠けてしまう。
「物を乱暴に扱えば壊れるように、歯も使い過ぎれば壊れます。歯が欠けた隙間には細菌が入り込んで虫歯になったり、歯肉に負担がかかることで歯周病も進行しやすくなります。顔にある4カ所の咀嚼筋は常に凝った状態になり、それに連なる表情筋が硬くなって、険のあるトゲトゲしい印象になる人もいます」