“健康効果”ハードル低く 新「機能性表示食品」要注意ポイント
逆に栄養素の過剰摂取を助長する危険もある。
たとえば、カリウムはナトリウムの排出を促す働きがある。新制度では「正常な血圧を保つのに必要な栄養素です」と表示できるため、高血圧の人はカリウムをたくさん摂取すればいいと考えてもおかしくない。
しかし、腎機能が低下している人がカリウムを過剰に摂取すると、高カリウム血症を引き起こすケースがある。不整脈を起こしたり、重症の場合は心臓が止まったりすることもある。
「亜鉛、カルシウム、ビタミン類なども、過剰摂取すれば健康を害するケースがあります。何らかの健康効果があるというのは、取り過ぎれば逆に作用するということでもある。新制度の機能表示はあくまで目安と考え、自分に必要な栄養素の種類や量などは、医師などに相談してしっかり把握しておくことが大切です」(則岡氏)
新制度では過剰摂取の注意喚起も表記されるが、細かい表記まで確認しないで、健康効果だけに目が行ってしまう消費者も多いだろう。注意したい。
「食品には、表示される機能的な栄養素だけではなく、他にもさまざまな栄養素が含まれています。いろいろな食品を食べることで栄養素を総合的に摂取するのが、健康にとっては重要なのです」(加藤氏)
クローズアップされる機能だけに目を奪われないよう気を付けたい。