“健康効果”ハードル低く 新「機能性表示食品」要注意ポイント

公開日: 更新日:

 逆に栄養素の過剰摂取を助長する危険もある。

 たとえば、カリウムはナトリウムの排出を促す働きがある。新制度では「正常な血圧を保つのに必要な栄養素です」と表示できるため、高血圧の人はカリウムをたくさん摂取すればいいと考えてもおかしくない。

 しかし、腎機能が低下している人がカリウムを過剰に摂取すると、高カリウム血症を引き起こすケースがある。不整脈を起こしたり、重症の場合は心臓が止まったりすることもある。

「亜鉛、カルシウム、ビタミン類なども、過剰摂取すれば健康を害するケースがあります。何らかの健康効果があるというのは、取り過ぎれば逆に作用するということでもある。新制度の機能表示はあくまで目安と考え、自分に必要な栄養素の種類や量などは、医師などに相談してしっかり把握しておくことが大切です」(則岡氏)

 新制度では過剰摂取の注意喚起も表記されるが、細かい表記まで確認しないで、健康効果だけに目が行ってしまう消費者も多いだろう。注意したい。

「食品には、表示される機能的な栄養素だけではなく、他にもさまざまな栄養素が含まれています。いろいろな食品を食べることで栄養素を総合的に摂取するのが、健康にとっては重要なのです」(加藤氏)

 クローズアップされる機能だけに目を奪われないよう気を付けたい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭