鼻炎やぜんそくの改善も 「ダニ」エキス新薬治療の最新事情
アレルギーの原因物質であるアレルゲンを少量ずつ定期的に数年間かけて体内に入れ、アレルゲンへの反応を抑える治療が「免疫療法」だ。ハウスダストには、チリ、ダニ、ホコリなどさまざまなアレルゲンが含まれている。だから従来の治療法ではターゲットが分散されてしまい、“ダニ一本”よりも確実性が劣っていた。それが今年4月から、ダニの中でも特に問題になっているチリダニから抽出したタンパクをもとにしたエキスを皮下注射する免疫療法が始まった。
■皮下注射と舌下錠の2通り
さらに5月には、このダニエキスの錠剤を舌の下で溶かし、体内に吸収させる舌下錠も承認された。
「血液検査でダニアレルギーが確認された人が対象になります。ダニエキスの免疫療法によって、8割くらいは抗アレルギー薬がいらない程度まで改善するとみられています」
免疫療法は長期間にわたるので、皮下注射を何度も行うのは負担が大きい。そこで、舌下錠が登場した形だが、舌下錠は「アレルゲンはダニだけ」という人向け。複数のアレルゲンを持っていて、それらに対する免疫療法を受ける人は、皮下注射になる。