たった2~3分 「東京五輪」「キツネ」「ハト」で認知症が分かる
認知症の高齢者が加害者となる交通事故が相次いでいる。「自分の老親も、もしかして……」と心配している人は、学会誌などで発表され、専門医からも注目を集めている認知症チェック法「TOP-Q」を試してはどうか。考案した「くどうちあき脳神経外科クリニック」(東京・大田区)の工藤千秋院長に詳しく聞いた。
「検査を受けている人も嫌がらず、だれでもでき、2~3分で終わる点が最大の特徴。小学生を対象にした講演会で『家に帰ったら、おじいちゃん、おばあちゃんにやってみて』と話したこともあります」
やり方は、こうだ。
まず、「東京オリンピックが楽しみだね」などと“オリンピックネタ”を持ち出す。ここは人それぞれのやり方でいいが、あくまでも自然に。ポイントはここからだ。
「5年後の東京オリンピックの時は何歳?」「51年前の東京オリンピックの時は何歳?」「誕生日はいつ?」の3つの質問を会話に織り交ぜる。その時の回答の正誤をチェックする。
次に、「前へならえ」のポーズのように両手を肩の高さに水平に上げ、両手のひらを内外に交互に向ける「キラキラ体操」をやってもらう。ここもやはり自然に。工藤院長は「体の柔軟性を見せてもらおうかな」と切り出すことが多いという。そして、両手で「キツネ」と「ハト」をつくってもらうのがポイントだ。