がんウイルス療法の時代がやってくる

公開日: 更新日:

 がん細胞のみで増殖する「がん治療用ウイルス」を使って、がんを退治しようとする新たな治療法が始まっているのをご存じでしょうか。

 この「治療用ウイルス」は、がん細胞に感染した後にその中で増殖し、宿主であるがん細胞を殺してしまいます。増殖した「治療用ウイルス」はその後、周囲のがん細胞への感染を繰り返し、そのたびごとにがん細胞を殺していきます。

 一方、正常な細胞に感染しても増殖はせずダメージを与えません。昔からウイルスに感染したがん患者さんのがんが縮小することがしばしば報告されており、ウイルスはがん細胞内で増殖しやすいことがわかっています。この性質を応用したのが「がん治療用ウイルス」なのです。

 実はこの治療法は以前から考えられていましたが、実際に“がん細胞の中だけでよく増殖し、正常細胞では増殖しないウイルス”を作ることができなかったため、治療として用いることができませんでした。しかし、いまは遺伝子工学を使い、「がん治療用ウイルス」となる単純ヘルペスウイルスなどが作れるようになったことで、現実的な治療に近づいたというわけです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が