気づいた時には皮膚障害に…冬の「低温やけど」は侮れない
相次ぐ寒波の襲来で、グッと冷え込む日が多くなった。こたつ、電気ストーブ、使い捨てカイロ、湯たんぽといった暖房器具をフル回転させている人も多いだろう。それほど危険を意識せずに使っているものがほとんどだが、注意しないと厄介な「低温やけど」を起こす恐れがある。
低温やけどは、体温より少し高めの温度のものに長時間接触し続けることによって起こる。44度程度の「少し物足りないかな?」と感じるような低温でも、皮膚に触れ続けていれば5~6時間、46度なら1時間ほどで低温やけどになる。50度では数分というケースもある。
低温やけどに関する知識はあっても、「まあ、大丈夫だろう」と、そこまで気を付けている人は多くない。実際、毎年必ず重症の患者が病院に駆け込んでくるという。
「すみれ皮膚科クリニック」院長の藤田伸弘氏が言う。
「80度を超えるような高温のものと接触すると一瞬でやけどを起こしますが、低温やけどは、熱さや痛みを感じない程度の熱が何時間もかけてジワジワ加わり、ゆっくり進行する。そのため、気づいたときは皮膚の奥の真皮までが障害され、考えている以上に重症化しているケースが多いのです」