歯槽膿漏や口臭も撃退 「酸素カプセル」に抗生物質効果
歯周病に歯肉炎、口臭、インプラントなど、中高年の歯の悩みを軽減し、回復を促進させる“新技術”が話題だ。
歯科医院で酸素カプセルという、これまでなかった組み合わせを考案し治療に導入している「神楽坂駅前吉野歯科」。東京メトロ神楽坂駅すぐにある同歯科の吉野建二院長(47)が言う。
「たとえば、仕事が忙しくて虫歯をそのままにしてしまうと、歯茎が腫れたり、痛みが出ることがあります。これは根尖(こんせん)病巣といって、歯根の膿(うみ)からくる症状なのですが、歯科治療後、酸素カプセルに入っていただくと、抗生物質の服用とほぼ同じ効果が見込める。根尖病巣に多い嫌気性菌の細胞を分離させ、患部の回復を助長すると考えられるからです。酸素カプセルというと、スポーツ選手が疲労やケガの早期回復のために入るイメージを持たれている方が少なくありませんが、実は歯科治療にあたる皆さまに大いに役立てることがたくさんあるのです」
吉野歯科では、診療室のすぐ隣にカプセルが置かれ、治療とセットで予約できる。カプセル利用料は10回分の回数券だと2万円(税抜き)とお手頃で人気だという。
歯科は苦手という中高年も、こうした最新設備とアイデアがあるのは知っておいて損はない。