気づかぬ間に腎機能に障害も…頻尿よりも怖い残尿の悩み
■腎機能が障害されるケースも
残尿で膀胱がどんどん充満していくと、膀胱の圧力が高まり、腎臓に慢性的に逆圧がかかり、腎臓がパンパンに腫れた状態になる。腎臓の機能廃絶に陥り、最悪、腎不全で透析という結果に至ることもある。
「明らかな残尿感があれば手を打つかもしれませんが、それも軽いことが多く、残尿があることになかなか気がつかないのが問題。これまで、内科医の先生で腎臓が悪くなってしまったという方も何人か診てきました。専門家として知識のある医者ですら残尿に気づかず、腎不全になってしまうのです」
打つ手はないのか? ひとつは、「頻尿」があるなら、その背景に「残尿」がないかを泌尿器科で調べることだ。
頻尿は1日10回以上トイレに行っている場合に疑いが生じる。
もうひとつは、残尿感は麻痺していくが、最初は実感があるはずなので、わずかでも「尿が残っている気がする」と感じたら泌尿器科へ。
「かつては尿道から管を入れて調べていました。今は、超音波で簡単に診断できます。痛みは全くありません」
最も危険なのは、「年だから下半身の悩みもあって当然」と考え、放置することだ。