気づかぬ間に腎機能に障害も…頻尿よりも怖い残尿の悩み
いつごろからか湧き上がる頻尿の悩み。しかし、怖いのは頻尿より残尿だという。
「昨晩も何回もトイレで目が覚めたよ」「俺なんて、そんなのしょっちゅう」「年取ったら頻尿は仕方ない」――。こんな会話を交わしたことはないだろうか?
中高年が気にする頻尿だが、それに「待った」をかけるのが、「前立腺がんは怖くない」などの著書がある東京慈恵会医科大学泌尿器科主任教授の頴川晋医師。
「回数という分かりやすい指標があるため『頻尿』を気にされる方は多いのですが、もっと注意しなければならないのは『残尿』。泌尿器科医の合言葉には『残尿は危険』というものがあるのです」
■「頻尿」と思い込んでいるのは……
膀胱の筋肉が弱ったり、前立腺肥大の症状のひとつとして起こる残尿は、頻尿と異なり気がつきにくい。
膀胱に200ミリリットルの尿がたまって尿意をもよおすとすると、何らかの原因で150ミリリットルしか出なければ、残りの50ミリリットルが膀胱に残っているので残尿感が生じる。