突然の脳梗塞…迷わず救急車を呼ぶべき「5つの症状」
「早期に来院すれば、『血栓溶解療法』という内科的治療が可能になるのです」
血栓溶解療法とは、「t-PA」(アルテプラーゼ)という血栓を溶かす薬剤を注射で投与する。脳梗塞は、脳へいく血管が血栓(血液の塊)で詰まって血流が滞り、その先の脳細胞が壊死する病気だ。当然のことながら、治療までの時間が長くなるほど壊死する脳細胞は増え、脳の損傷が拡大する。早い段階で血栓溶解療法を受けて血流が再開通すれば、“被害”は最小限に食い止められる。
「t-PAを受けた100人の調査では、39人が3カ月後に自立でき、プラセボ(t-PAを受けられなかった)群は26人しか自立できませんでした。100人単位で見ると小さな差と思うかもしれませんが、母体を大きくすると有意差がはっきりとわかります」
脳梗塞は、約4割の患者は発症前と同程度まで回復し、一方で6割は後遺症が残ったり死亡したりするといわれている。さらに、後遺症・死亡例のうち、何らかの後遺症が残る人が20%、補助なしの社会生活が困難なほどの後遺症の人が23%、死亡者が17%。