【首都圏の特養事情】ワースト1位は小金井市
首都圏で定員が最低なのは、小金井市(6.4人分)。中央線沿線区間(新宿から国立まで)は、軒並み20人分にも満たない低い数字になっています。暮らしやすい地域かもしれませんが、要介護になってしまえば受け入れ先が見つからない、というのが実情のようです。都内(23区)でも多くの区が20人分以下にとどまっています。ただ、江東区、荒川区、足立区など下町エリアは25人分前後を確保しています。
首都圏は特養の待機老人であふれています。保育園の待機児童どころではありません。多くの自治体が、その人数をどう減らすかで頭を悩ませています。いっそ老人を他県に移住させようという計画も進んでいます。杉並区が静岡県南伊豆町に特養を建設する計画を進めており、マスコミでもちょっとした話題になりました。杉並区の待機老人は約1300人。区内の施設(約1000人分)だけでは、およそ3~4年も待つ計算になります。しかも必要数を確保するためには、建設費だけで100億円とも200億円ともいわれています。「姥捨て山」と陰口を叩かれようとも、これしか現実的な解決策がない、というのが本音のところでしょう。