噛むと脳活性化なのに…若者「ガム離れ」なぜ起きた?
ガムを噛む若者が減ったからキレやすくなったのかと思いきや、「因果関係はない。それで思考能力が落ちたりしたわけではありません」と、柿木教授。
■過食防止にも
日本チューインガム協会によると、ガム1枚を噛む回数は550回。そばの15回、チャーハンの47回をはるかに上回る(各10グラム当たり)。
「よく噛んでゆっくり食べる人は、早く食べる人に比べ、2型糖尿病やメタボリックシンドロームになりにくい」と、歯科医で深井保健科学研究所の深井穫博所長がこう続ける。
「咀嚼は唾液の分泌を増加させ、疾患予防、消化促進などのほか、生活習慣病の予防、特に肥満予防につながります。日本肥満学会の『肥満症治療ガイドライン』では、30回噛むことが推奨されています。よく噛むとヒスタミンの量が増え、満腹中枢や交感神経が刺激され、食欲が抑えられ、満腹感を得やすくなります。食べ始めてから脳の満腹中枢が働くまで約20分かかるため、過食防止になるのです」
場所を選ばず短時間でこれほど費用対効果の高いアイテムはないのだ。