“神の手”解説 「脳動脈瘤」2大治療メリットとデメリット

公開日: 更新日:

 突然死を招く重大病として知られる「くも膜下出血」。その最大の原因は脳の動脈にできた脳動脈瘤の破裂だ。いったん破裂すると、社会復帰できるのは3分の1程度で、残りは死亡するか、社会復帰が不可能なほどの後遺症を残してしまう。この極めて恐ろしい「脳動脈瘤」の治療法には、2つの治療法がある。「開頭クリッピング術」と「脳血管内治療(コイル塞栓術)」だ。中心となる治療法はどちらなのか。

 日本で1970年代から行われている「開頭クリッピング術」は、伝統的な脳動脈瘤の手術法だ。全身麻酔をかけて頭部を切開し、動脈瘤の根元を洗濯ばさみの形をしたチタン製のクリップで挟み、血流を止めて破裂を防ぐ。

 一方、脳血管内治療である「コイル塞栓術」は1997年から始まり、まだ20年と歴史が浅い。脚の付け根(鼠径部)の動脈から1ミリ弱のカテーテルを挿入。プラチナ製コイルを脳動脈まで到達させて、脳動脈の内部をふさいでしまう。

 一時期、コイル塞栓術がクローズアップされたが、いまはどうか? 緊急を除いておよそ半年待ち。脳動脈瘤手術では、「神の手」の評価を持つ「昭和大学病院・脳神経外科」(東京・品川)の水谷徹主任教授が言う。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」