【肛門のかゆみ】「押しふき」と「湿疹薬」で対応
肛門がかゆくなる症状を総称して「肛門掻痒(そうよう)症」という。原因はさまざまだが、最も多いのは排便後、肛門をふき過ぎることだ。東肛門科胃腸科クリニック(東京・恵比寿)の東光邦院長が言う。
「神経質になってお尻をふき過ぎると、肛門の入り口の皮膚に細かな傷がつき、そこに便がつくのでただれてかゆくなるのです。これを『肛囲湿疹』といいます」
逆に、肛門に便が残ってもただれの原因になる。お尻をふくときに注意するのは「こすらない」こと。こすっても肛門に便をすり込むだけで、きれいにはならない。上手なお尻のふき方は、「押しふき」を2~3回するくらいでいいという。
次に多い原因は、温水洗浄便座による肛門の洗い過ぎだ。
「肛門も他の皮膚の部分と同じように常在菌がいて、バリアー機能の役割を果たしています。温水で洗い過ぎて、その常在菌のバランスが崩れると、皮膚が刺激を受けやすくなってかゆみの原因になるのです。そうなると“皮膚カンジダ症”になる人も多いです」