抗うつ薬より向く人も うつ病は漢方薬で治すという選択肢
■抗うつ薬などで消えなかった身体症状がピタリ改善
一方、抗うつ薬や抗不安薬は、ストレスで分泌が抑制された神経伝達物質のドーパミンやセロトニンに働きかけ、うつや不安などの症状が出ないようにする。
人がストレスに適応するには、「視床下部―下垂体―副腎系」の働きが重要になるが、慢性ストレス下では、この働きが低下している。
柴胡加竜骨牡蛎湯と抗うつ薬・抗不安薬の効果を比較した動物実験では、柴胡加竜骨牡蛎湯の投与でこの一連の働きが改善することが明らかになった。
「漢方薬は、ストレスで生じる脳と体両方の反応を改善するので、体の症状にも改善が得られやすいと考えられます」
抗うつ薬の中には認知機能や運動機能に影響を与えるものもあるが、漢方薬にはそのような影響は見られず、むしろ認知機能に良い効果が報告されているものもある。
さらに、免疫機能を活性化させたり、消化管の働きが向上して、栄養状態を改善させる作用が漢方薬にあり、これも身体的症状の改善に大いに役立つ。