亡くなる人の食事 老衰死の人は1週間前に食べなくなる

公開日: 更新日:

 介護施設などによっては、食べなくなる直前まで、普通食以外にミキサーで食べ物を砕いて食べやすくしたミキサー食を用意したり、ソフトクリームをなめさせるなど“食べ方”の工夫をしている。

「それも重要ですが、楽しく食べさせることも大切です。ひとりで食事をする孤食が一番いけない。食事を楽しくすることが一番の(健康)長寿の秘訣であり、生きる力になります」

 では、老衰に向かう人への食事はどう考えればいいのだろうか?

「残念ながら死に向かう人に対する栄養学というものは確立しておらず、食べなくなってからどうするか確立された方法はありません。そもそも高齢者に対する医学データはいい加減で、90歳以上の高齢者の必要摂取カロリーすら、わかっていません。従来の栄養学は健康な人を対象にしています。そこから外れた人のデータはありません。長生きしている高齢者は、その集団の中では『異常な人』であり、そのデータは存在しないのです」

 一方で、医学は「病人」=「異常な状態」を相手にしているのであって、「高齢で死ぬ」=「正常な状態」は研究の想定外なのだという。

「結局、長生きしている高齢者は、長寿遺伝子を持っている人であり、いまある標準化されたデータは役に立ちません。その意味で、亡くなる人の役に立つデータというのはこれからなのです」

【連載】「多死社会」時代に死を学ぶ

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  2. 2

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  5. 5

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  1. 6

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  2. 7

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 8

    雑念だらけだった初の甲子園 星稜・松井秀喜の弾丸ライナー弾にPLナインは絶句した

  4. 9

    「キリンビール晴れ風」1ケースを10人にプレゼント

  5. 10

    オリックス 勝てば勝つほど中嶋聡前監督の株上昇…主力が次々離脱しても首位独走