「睡眠導入剤」は「睡眠薬」と何がどう違うのか
睡眠導入剤は、睡眠薬より効き目が弱いイメージですが、実際はどうなのでしょうか? 秋津医院(東京都品川区)の秋津壽男先生が教えてくれました。
「睡眠薬のうち、1時間から3時間しか効かないものを睡眠導入剤と呼んでいます。効き目の強さではなく、持続する時間が違うのです」
睡眠導入剤は、寝つきを良くするため、寝入りばなに効くようにつくられた睡眠薬。短時間で薬効が切れるので、朝の目覚めはスッキリ。ただし、夜中に目が覚めたら眠れなくなるのが難点です。
一方、それ以外のいわゆる「睡眠薬」は、効果が5~7時間持続するので、一晩中グッスリ眠れます。ただし、朝まで薬が残っていると、起きられなかったり、午前中ボーッとしたりしがちになるそうです。
「寝つきが悪いのか、それとも夜中に何度も目が覚めてしまうのか。不眠のタイプによって薬を使い分けます。いずれも病院で処方する薬であり、薬局で買えるのはまったくの別物です」
睡眠導入剤も含めた睡眠薬は、医師の処方が必要で、薬局で買えるのは「睡眠改善薬」と呼ばれます。
「風邪や花粉症の薬を飲むと眠くなりますよね。市販の睡眠改善薬はこれと同じで、抗ヒスタミン薬の副作用を利用したものです。安全性は高いのですが、処方薬ほど効き目が強くありません」
不眠で悩んでいるなら、まず市販薬を試してみては?