薬を飲んだら暴力的に…穏やかな性格を狂わす副作用

公開日: 更新日:

 親や配偶者が認知症と診断され、詳しい説明もなくアリセプトなどの抗認知症薬を処方されたら、「なぜその薬が必要なのか」と徹底的に医師に確認した方がいい。

 もし、納得のいく答えが返ってこなければ、医療機関や医師を替えることも検討すべきだ。

「認知症の周辺症状(暴力、妄想、抑うつ、不眠、徘徊など)には、抗認知症薬は効かないどころか、かえって周辺症状がひどくなるケースが珍しくない。あまりの変貌ぶりに『どうしたらいいのか』と駆け込んでくるご家族もたくさんいる」

 こう話すのは、在宅医療の第一人者で、「認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?」など認知症関連の著書が多数ある「長尾クリニック」の長尾和宏院長だ。

 ある70代の女性は、アルツハイマー型認知症の夫に、かかりつけ医から処方された抗認知症薬を飲ませたところ、興奮状態が増し、大声で暴言を吐いた。

 調理をしている時、振り向くと、夫がわめきながら包丁を振り回していたこともあった。この時は、殺されるのではないかとの恐怖まで抱いた。夫は認知症を発症するまでは非常に穏やかな性格で、発症後も認知機能の低下はあるものの、暴言や攻撃的な行動は見られなかった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…