薬を飲んだら暴力的に…穏やかな性格を狂わす副作用

公開日: 更新日:

 ところが、かかりつけ医に「夫が暴れるのは薬の影響ではないか」と聞いても、「薬をやめれば認知症が悪化する」と反論されたうえに抗精神病薬も処方された。

 結局、抗認知症薬をやめたのは、離れて暮らしていた息子の勇気があったからだ。抗精神病薬でおとなしくなったが寝たきり状態になり、感情もほとんど表さなくなった父親を見た息子が、強引に別の医療機関へ連れていき抗認知症薬を中止できた。

 抗認知症薬をやめてしばらくすると、夫は再び歩けるようになり、暴言や攻撃的な行動も治まり、穏やかになった。

 認知症の周辺症状に対する抗認知症薬には、アリセプト、リバスタッチパッチ、レミニール、メマリーがある。

 これらの薬は、階段を上るように最高量まで増量していく規定が定められ、もし守らなければ保険審査が通らず、医療機関にペナルティーが科せられていた。そのため機械的に増量されていたが、長尾医師が代表を務める「抗認知症薬の適量処方を実現する会」の活動が実り、昨年6月1日に撤廃された。しかし周知が十分ではなく「増量規定の撤廃」をまだ知らない医師が大半だという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が