著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

乳がん手術の多い病院 年間1000件超はがん研有明のみ

公開日: 更新日:

■「病理医」常駐がカギ

 また、手術中に追加の病理検査を行います。センチネルリンパ節と呼ばれるがんの塊に最も近い位置にあるリンパ節や、がんを切り取ったあとの切断面に、がん細胞が残っていないかを顕微鏡を使って判定するのです。

 手術件数の多い病院には必ず病理医が常勤しています。しかし件数の少ない病院では、非常勤が週に1~2回勤務しているだけ。病理医がいないまま、手術が行われることも少なくないといわれています。その場合、安全のために正常部分もかなり大きく切り取ることになります。

 実は859病院のうち300病院は、年間手術数が29件未満。そのような病院では、執刀医すら非常勤ということも珍しくありません。もちろん非常勤だから腕が悪いという話ではありませんが、現代医療は看護師や技師も含めたチーム医療を基本としています。外科医も病理医も常勤している病院のほうが、乳がん治療のチームワークがいいだろうことは容易に想像できます。

 年間100件以上こなしているのは203病院。全国の乳がん手術の約56%をカバーしています。しかし200件以上となると56病院、カバー率は29%です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    明石家さんま100億円遺産「やらへん」でIMALU“親ガチャ”失敗も…「芸能界で一番まとも」と絶賛の嵐

  2. 2

    “年収2億円以下”マツコ・デラックスが大女優の事務所に電撃移籍? 事務所社長の“使い込み疑惑”にショック

  3. 3

    大谷の性格、「俺は知ってるけど言えない…」水原元通訳の父親が投げかけた重大な問題・素朴な疑問

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    「もしもピアノが弾けたなら」作曲家・坂田晃一さんが明かす西田敏行さんの知られざる逸話

  1. 6

    山本由伸、佐々木朗希もゾッコン!ドジャース「生きた教材」サイ・ヤング賞左腕の指導力

  2. 7

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  3. 8

    ジャパネットたかた創業者の高田明さんは社長退任から10年…「あと40年、117歳まで生きる」

  4. 9

    セクハラ・パワハラの生島ヒロシ降板で「スポンサー離れ」危機のTBSラジオが“敏腕営業マン”も失う

  5. 10

    大谷も仰天!佐々木朗希が電撃結婚!目撃されたモデル風美女に《マジか》《ビックリ》