著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

大腸がん 10年間で男女とも新規患者数増加の最大要因は?

公開日: 更新日:

 死亡数を見ると、男女とも1・2倍に増えたことが分かります。ただし年齢調整死亡率は男女とも若干下がっています。胃がんと同様、大腸の上皮内がんは内視鏡手術できれいに取り除くことができ、しかも再発や転移の可能性はほとんどありません。そのため加入している「がん保険」によっては、保障対象外だったり給付金が大幅に減額されたりすることがあります。

 大腸がんで実際に亡くなる可能性があるのは浸潤がんの患者のみです。そこで03年の数字を見ると、男性の浸潤がん患者約5万7000人に対して死亡数は約2万1000人(約37%)。それが12年には患者約7万7000人に対して死亡数は約2万6000人(約33%)で、死亡割合が低下しています。実際には治療から死亡まで年単位の時間差がありますが、大ざっぱにいって、治療技術の向上などにより、この間に死亡率が4ポイントほど下がったわけです。

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