著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

“癒やしのハーブ”が深刻な相互作用を起こすケースもある

公開日: 更新日:

 これまで、特定の薬と相性が悪い食べ物について紹介してきました。今回は、多くの薬剤に影響を及ぼすことが知られている有名な食品について紹介します。

「セントジョーンズワート(セイヨウオトギリソウ)」は、癒やしのハーブまたはサンシャインサプリメントとして知られている健康食品です。サプリメントとしても市販されています。ドラッグストアなどで手軽に買うことができますし、身近なサプリメントといえるでしょう。“癒やし”といわれるだけあって、うつ病、不安神経症、睡眠障害に対し、民間療法として用いられています。

 ただし、セントジョーンズワートは多くの薬剤と相互作用があり、厚労省のホームページで注意喚起されているほどです。セントジョーンズワートには薬物を代謝する酵素「チトクロームP450」を体内で過剰に作らせる働きがあり、代謝酵素が過剰にできることで、併用した薬の効果を弱めてしまう相互作用が起こります。

 例えば、免疫抑制剤の「シクロスポリン」、心臓病の薬である「ジゴキシン」、血栓予防の「ワルファリン」、抗てんかん薬の「フェニトイン」や「フェノバルビタール」などが該当します。これらの薬が相互作用によって普段より効果が弱まっては一大事です。また、同じく相互作用のある経口避妊薬やある種の抗がん剤は、十分な効果が得られなくなると治療上問題があります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」